Y氏~追想の刻

追想の刻episode1-4~揺動~

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追想の刻episode1-3~誘惑~

 

役職への期待

社員になると同時にリーダー職というのは稀な例で、他にも社員は数名いるのだが、何故かリーダー職を避けててY氏がいきなり役職に就くチャンスだ。

 

中村店長

「お前こないだ飲んだ時も金稼ぎたいって言ってただろ?大体なぁ給料だけじゃねえんだぞ?金の稼ぎ方ってのは無限にあるんだぜぇ?その辺もきっちり教えてやっから有り難く俺の下で働け。」

 

そう悪代官の様に笑う店長は、ポケットからドシャコの黒いマジェスタの鍵を出して指先でクルクル回している。

 

確かに金は稼ぎたい。

 

しかもリーダーになったら釘も、設定もやらせてくれるはずだし。

景品管理とか、シフト管理は嫌いじゃないし。

あーでもX氏は一応先輩だから気を遣うなぁ・・・。

明日相談してみよう。

 

Y

「ちょっと考えますよ。」

 

中村店長

「はぁ?もったいぶってんじゃねぇ!時間がねえんだからよ。

本部長の承認貰わなきゃいけねえんだ、本部長が来る明後日までに決めとけ。」

 

当日の決断

店長に話を聞いてから、休憩中のY氏はボーッとリーダーの件を考えながら赤マルを吸っていた。

遅番の出勤時間にX氏が来た。

 

X

「おっすY氏。

実はよ、昨日店長から隣町の海皇ホールでリーダーとしてやらないか?って言われたんだよ。」

 

Y

「え?海皇で?いきなりリーダー?」

 

海皇ホールは(株)上野興業が展開するホールの一つで、数年前に隣駅のターミナル駅前に本社ごと移転させて建てた自社ビルに入る500台の旗艦店だった。

一方Y氏がいる冥王ホールはPS併せて1フロア250台のホール。

ホールの規模でも圧倒的な差があったのだ。

 

X

「んで俺も今はやりたい事ないし、来月から主任と一緒に海皇ホールにリーダーとして異動する事に決めたんだわ。」

 

Y

「すげえじゃん。」

 

X

主任も移動するんだけど、主任は珍しくご機嫌だったけどな。」

 

Y氏

「ははは。」(主任は店長と離れられて嬉しいんだろな・・・。)

 

X氏の話を聞くだけで休憩時間は無くなり、Y氏はホールに戻った。

 

その夜Y氏はリーダーの件を受けることに決めた。

 

To be continued...

 

この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません

 

上野興業
 
親会社は難波一族率いる難波商事。
難波商事の始まりは一軒の喫茶店からだったが、いまやボーリング場、不動産業、飲食店、デザイン会社、パチンコ店を展開している。
中でもパチンコ業の上野興業が一番勢いがあった。

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