Y氏~追想の刻

追想の刻episode1-1~序章~

マリンちゃん

「ねぇ、Y氏さんは何でパチンコ屋に入ったの?」

 

スタッフの休憩室に修正テープをパクリに来たY氏に、フランクな19歳のマリンちゃんは問いかけてきました。

 

Y

「もう忘れちゃったな・・・」

 

丁度マリンちゃんと同じ位の歳でこの業界に足を踏み入れ、この業界で挑み続けて来ました。

これは1990年代のパチンコ屋さんから始まるストーリー

 

専務

「なんだと・・・もう一回言ってみろこの小僧!!!」

 

虫の居所が悪かった専務に食ってかかり、ガラスの灰皿が飛んできて額を割ったこともありました。

 

Y

「・・・クソ野郎!こんな奴らの下でいつまでも働けるか!絶対こいつらより上にのし上がってやる・・・!」

 

昔は昔、今は今。共に良い所も悪い所もありますよね。

1990年代後半、Y氏がアルバイトとして業界に足を踏み入れたのは都内の繁華街。

駅前のパチンコ屋の前を通ると、自動ドアが開く度に騒がしい音楽と店員のマイクが響いていました。

最初にアルバイトで入ったのは駅前の併設店さんでした。

緩かった入店規則

当時は高校に入ったくらいの年齢になると、悪そうな先輩から「パチンコ屋に行くぞ!」とお誘いが来る時代でした。

学校の帰り道に行ったり、学校には行かずに学ランのズボンに5,000円を入れて、Tシャツを着てホールに小遣い稼ぎの為に打ちに行くのです。

高校を卒業してバイトを探す時には、とにかく時給が高くて自分の興味がある事、選択枝はパチンコ屋になってきます。

そうなると駅前のいつものパチンコ屋が浮かびます。

ちょっと面接でもしてもらうか。

そんな軽い気持ちで業界の扉を叩きました。

ここからが地獄の始まりです。

面接の日

 

店長

「よし、じゃあ明日から頼むわ。」

 

とアイロンパーマの店長の面接を終えて一緒に店を出ると、店先には黒のベンツ560SELからやばそうな人が下りてきた。

 

店長

「社長!お疲れ様です!」

 

社長

「おう」

 

Y氏(うわぁ・・・やっぱりそういう感じか・・・)

たまに店に現れるパンチパーマにダブルのストライプスーツを纏った社長がベンツから降りてくる姿は半端ない威圧感だ。

ホール巡回

人手が足りない事もあり、翌日からさっそく働き始めるY氏。

アルバイト初日に教育係である2つ上の先輩にホール巡回のイロハを教ることになる。

X氏は茶髪のロン毛で日サロ通い、ギャル男ってやつだ。

いざ巡回を始めると右も左も分からないホール、更にはユーザーとして打ちに行くのとは全く違う視点でホールを回る事に戸惑いながらも何とかX氏に付いていく。

初日から覚える事は沢山あるのだ。

X氏が教えてくれたイロハ。

 

X

「巡回中の基本は島を歩きながら、上から下に台上、データ、盤面、台間、お客様の手元、足元と視線を送ってゴミや不審点がないか見ること。」

 

X

「それと・・・出てる台がいっぱいある様に見えるけど、負けてるお客様の方が圧倒的に多いから接客する時の態度は気を付けろ。」

 

X

「最後に・・・うちの企業理念」

 

Y

「人生に・・・タノシミを」

 

X

「よし」

 

台が大当たりすると、X氏はハンドマイクで「1番台フィーバースタートぉ!」などと楽しそうにやっている。

フィーバーマイク

数日もすると、何となくホール巡回にも慣れてきた。

早くマイクやりたいなー。いつやらしてくれるのかなー。

とか思いながら、マイク入れてる中村店長の姿を眺めていた。

 

店長

「なんだよ?お前がマイクなんざ100年早いわ。見落としが無くなるまで巡回してろ。」

 

Y氏

「はーい」

 

ホールの巡回を始めて3週間くらいたった頃、Y氏はもう余裕を持ってホール巡回が出来るようになっていた。

そんなアルバイト時代は何も考えず、何も描かず生きていた。

本当に勢いだけで

ここからが本当の地獄の始まりだとは知らず・・・

 

To be continued...

 

この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません

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